そば製粉で風味や香りが全く異なる!「挽きぐるみ」とは?

そば屋さんに行くと「十割」「二八」「更科粉」「挽きぐるみ」などといった専門用語をよく耳にするものです。

 

これらの用語はすべて、そばの味わいを左右するもの。

 

よくわからないという人も多いかと思いますが、理解すればさまざまな違いが具体的に感じられ、そばがもっと好きになるはず。

 

今回はそんなそば用語の中から、「挽きぐるみ」についてご紹介していきたいと思います。

 

「石臼挽きが美味しいのか?そば粉に仕上げるための「製粉方法」とは?」はこちら

 

 

そば製粉にはさまざまな種類がある

一般的にイメージするそばは、麺の色が灰色がかかったものですが、じつはそばの色は灰色だけではありません。

 

薄い灰色にそば粉のつぶ(そば殻)(ホシともいいます)が混ざっているものや、色のまったくついていない白色のそばもあることをご存知でしょうか?

 

これらの違いは製粉方法によって生み出されます。

 

色のほか、味わいや香り、歯ざわりも異なり、食べ比べるとさまざまな違いが発見できるはず。

 

「一本挽き」とも言ったりしますが、「挽きぐるみ」は、そんなそば製粉方法のひとつです。

 

 

 

そばの製粉具合で香りと風味が変化

 

そばの実は、外側から果皮、外層粉、中層粉、内層粉、胚芽という階層で構成されています。

 

そばを製粉する際、最初は胚芽や内層粉から粉になって排出され、次に中層粉、そして外層粉といった形で順々に排出されていきます。

ちなみに、果皮は脱穀してから製粉する場合と、脱穀せずそば殻の状態で製粉する場合があります。

 

 

最初に出てくる胚芽や内層粉は「1番粉」や「更科粉」と呼ばれ、1番粉だけで打ったそばは真っ白に。

そばらしい香りは弱いものの喉越しがよく、甘みがあって、上品な味わいのそばが出来上がります。

 

次に出てくる中層粉は「2番粉」と呼ばれ、そばらしい灰色を帯び香りも楽しめながら、1番粉ならではの甘みやつるりとした食感もキープ。

 

製菓用の粉として用いられるほか、韓国冷麺の素材としても重宝されていあす。

 

 

最後に出てくる外層粉は甘皮ともいい、「3番粉」と呼ばれています。

そばの栄養がぎゅっと詰まった層で、そばらしい香りも楽しめるのが特徴。

色もぐんと濃くなっていきます。

 

 

挽きぐるみは、そんな1番粉・2番粉・3番粉を取り分けず、まるっと挽き込んだ製粉方法のこと。

1番粉の甘み、2番粉の上品さ、3番粉の香りと色、栄養を兼ね備えた挽きぐるみのそば粉は、色も味も香りも風味もそばらしいと大人気。

「田舎そば」とも呼ばれていますが、挽きぐるみならではの野趣あふれる味わいが好きだという人も多いです。

 

「そばのプロが本気で考えた!そばの人気メニューランキング」はこちら

 

 

そば殻まで挽き込んだ挽きぐるみそば粉

 

本田商店のおそばも挽きぐるみ製法でつくります。

まずは、脱皮工程です。

そば殻とそばの実に取り分け、実と殻を別々で製粉します。

 

「出雲そばの「そば」にはどんな特徴がある?」はこちら

 

 

そば殻も全部挽き込んでいると思われがちですが、全部挽き込んでしまうとエグ味が強くて食べれません。

このエグ味がそばの味わいと思っている方もいらっしゃるようです。

 

そば殻を取り、外側を甘皮の状態にしてから製粉していますが、ほかのそばメーカーさんなどではそば殻まで挽き込んだ挽きぐるみのそば粉も見かけます。

 

そば殻まで挽くことで殼特有のプツプツとした粒が残り、そばを打ったときにも黒いホシとして表出してきます。

 

また、殻を取り除いて作る挽きぐるみそば粉よりもぼそぼそとした食感に仕上がりますが、強い風味や甘味も感じられ、これはこれで好きだという方もいらっしゃいます。

 

 

製粉方法で味わいがさまざまに変化するおそば。

 

小さな違いを噛み締めながら味わうのもまた面白いものです。

 

挽きぐるみをはじめ、さまざまな製粉方法のそばをぜひ食べ比べてみてはいかがでしょう。