食事に農薬はどれほど残っている?本当に安全なの?

作物を育てる際、農薬を使うシーンは多々あります。

大量生産をする上で、コストの削減・害虫の影響・天候に左右されにくいなど、さまざまな理由において欠かせないからです。

そんな中で気になるのが、口に入るときには農薬の影響はないのか、ということ。

食事と農薬の関係について迫ります。

 

「【健康に悪影響?】残留農薬とはどんなものなのか?」はこちら

 

農薬は有害なものなのか

 

農薬とは基本的には危険なものであり、すべての化学物質は大量に摂取すると人間に悪影響を与えます。

ただし、ある一定の量以下では無害。

これは農薬をはじめ、食品添加物もまたしかりで、さらに砂糖や塩といった天然の化学物質においても同じことがいえます。

 

つまり農薬は、使い方を間違えると生物や環境に悪影響を与えてしまうもの。

安全性を確保するために、農林水産省の登録制度によって審査されたものだけが使用でき、さらに基準値を超えないように使用方法が定められています。

 

「「オーガニック」と「有機栽培」はどう違う?」はこちら

 

昔は、土や作物に散布された農薬が長時間を経ても分解せず、残留し続けるものが使われていたようです。

しかし、現代ではそういった農薬が出回ることはなく、一つひとつの分解速度を調べ、半減期が180日以上のものは登録できないようになりました。

 

 

 

残留農薬って本当にないの?

 

とはいえ、普段の食事において残留農薬を口にする可能性があるかどうかは気になるところ。

これに関しては、各種長期毒性試験において、人が一生涯毎日摂取し続けても安全な農薬の量というものがきちんと定められています。

 

この1日摂取許容量(ADI)を基にして、日本人が平均的に食べる1日当たりの農産物の種類と量、農薬の残留実態から、農産物ごとに許容できる農薬の残留量が決められ、安全性が確保されています。

 

実際に厚生労働省が平成14年度に公表した「平成11年度 食品中の残留農薬検査結果」においては、39万2,415件(国産品・輸入品含めて)の検査が行われ、ほとんどの検査で農薬は検出されませんでした。

なお、このときに基準値をオーバーしていたのは、国産品で21件、輸入品で35件の合計56件だったそうです。

 

「人と自然に配慮した注目の規格「有機JAS規格」とは」はこちら

 

微量な農薬でも体の中に蓄積されるのでは…

 

かつては体内で分解しにくく、蓄積される農薬が使われていたこともありましたが、現在では胃腸や肝臓で分解され、体外に排出されるものだけが使用できるよう取り決めがなされています。

 

では複数の農薬が一気に体内に入ることで何か体に影響が出るのではないか、という疑問も残りますが、これに関しては名古屋市立大学の伊東信行名誉教授の実験結果により「動物実験で、1日摂取許容量のレベル20 農薬を同時に投与しても、相乗毒性と呼ばれるような影響はなかった」と報告がなされているようです。

(参考URL:http://www.midori-kyokai.com/yorozu/qa2.html)

 

 

でもやっぱり少しでも残っていたら気になる

 

農薬は土の中や太陽に当たることでほとんど分解されますが、わずかながら残留することもあります。

そこで厚生労働省が実際に流通している農作物を一般的な調理法で調理し、農薬量を調査した結果、1日許容摂取量の1%未満〜1%台にとどまり、健康に影響を与える量ではないことがわかりました。

 

ただし、微量ながら残っているのは事実です。

 

武庫川女子大学の教授のグループの研究結果では、野菜や果物において水洗いや皮むき、ゆでる、揚げるなどの調理を施すことで残留農薬量が減少することがわかっています。

 

少しでも気になる場合には、洗って皮をむいて火を通して食べるなど、ひと工夫を心がけたいものです。

また、無農薬を謳った商品を選ぶなど、取捨選択して食事作りを行いたいところです。