そばつゆとめんつゆの明確な違い。辛めと甘め、どちらがお好み?

そばつゆは、ざるそばをいただくときに欠かせないもののひとつ。

 

そばを1/3〜半量ほどつけてずるるっとすすれば、口の中でそばの風味と醤油の味わいがハーモニーを奏で、重層的なおいしさが広がります。

そんなそばつゆについて、めんつゆとの違いや系統によって異なる風味、さらにそばつゆの意外な歴史までぐぐっと深掘りしました。

 

そばつゆとめんつゆって違うもの?

 

スーパーなどでも売られているそばつゆとめんつゆは、同じような茶色でそれほど違いがないように思いがち。

 

けれども、そばつゆはそば専用のつゆ、めんつゆはそば以外の麺類をつけるつゆとなっています。

 

そばつゆとめんつゆの大きな違いのひとつが、醤油の濃さです。

 

ばの力強い風味に負けないよう、そばつゆは醤油の味わいがしっかり利いているのが特徴。

そばつゆだけを舐めると、少し辛いと感じるほど濃いめの味わいとなっています。

 

一方めんつゆは醤油よりもカツオダシの風味が利いていて、奥行きのある味わいが特徴。

うどんやそうめんなど小麦粉で作られる麺はあっさりとした淡白な味わいなので、ダシの香るつゆがよく合うのです。

 

めんつゆ自体を舐めてみても、塩辛さよりはダシのまろやかな風味が堪能できます。

 

そばの種類で変化するそばつゆ

 

 

江戸時代に生まれた老舗のそばには「更科そば」「藪そば」「砂場そば」という3つの系統があり、その3つをまとめて「御三家」と呼んでいます。

 

 

それぞれ簡単に説明すると、

 

「更科そば」はそばの実の中心部分となる一番粉を使用しているため、白くて滑らかかつ上品な味わいが特徴。

 

「藪そば」はそばの実の外側にある皮まで挽いて仕上げており、色も味も濃いめ。

 

「砂場そば」は更科そばと同様に一番粉を使い比較的白めの色をしています。

 

 

このそばの特徴に伴ってそばつゆも御三家独自の方向性があり、「更科そば」なら甘口で濃厚、「藪そば」ならしっかり辛め、「砂場そば」は更科と藪の間ぐらいの味わいだといわれています。

 

更科そばと藪そばのつゆの辛さは明確で、同量のつゆであっても醤油の量は2倍近くも違うのだとか。

この濃さの理由はゆで上がったそばを水でしめた後、ほとんど水気を切らずに濡れた状態で提供されることにも由来するようです。

 

 

江戸時代のそばつゆは現代とはひと味違っていた!

 

江戸時代に団子状のそばがきから麺状のそばきりへと発展し、世間に広く浸透していったそば。

当時からそばつゆも用いられていましたが、どうやら現代とは違った味わいのつゆだったようです。

 

江戸時代初期に書かれたといわれる『料理物語』という書籍では、そばつゆはなんと味噌と水から作られる「垂れ味噌」もしくは「煮貫」に薬味を加えたものである、と残されています。

「垂れ味噌」とは、味噌に水を加えて煮詰め、布袋に入れて漉したもので、「煮貫」とは「垂れ味噌」に削った鰹節を加えて煮詰め、漉したもの。

薬味には花ガツオ、大根おろし、あさつきを加え、ここにからしやわさびを入れるのも良いと書かれているようです。

『料理物語』から100年以上を経て書かれたとされる『蕎麦全書』では、さらにそばつゆが変化。

味噌ベースと醤油ベースの2通りがあり、味噌ベースは垂れ味噌に酒と削り節を加えて煮詰め、漉した後に塩とたまり醤油で味を調えたもの、醤油ベースは醤油と酒、水を合わせて弱火にかけたもの。なお、醤油ベースにカツオダシを加えてもいいと書かれているようです。

 

その後どのようないきさつで醤油ベースのそばつゆが普及したかは定かではありませんが、なんとも興味深い歴史です。

そばのおいしさを最大限に引き出すそばつゆは、ざるそばにおける名脇役!

甘めテイストが好みか、辛めテイストが好みかは、お店選びのポイントにもなりそうです。

また醤油の利いたそばつゆだけでなく味噌のそばつゆも気になるところ。一度味噌ダレも試してみたいです!