そばつゆの「だし」と「かえし」レシピ 辛口に仕立てるポイントとは?

ざるそばやもりそばに欠かせないそばつゆ。
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うどんやそうめんのつゆと違って醤油の味が濃く、少し塩辛いのが特徴です。
そんなそばつゆを作る際、だしとともに必要なのが「かえし」。
「かえし」がそばつゆのおいしさを左右するといっても過言ではありません。
おいしい「かえし」の作り方と活用方法をご紹介します。
そばつゆが辛口といわれる理由は?
そばつゆは、そばの力強い風味としっかり寄り添えるように、ちょっと辛口に仕立てられています。
だしは入っているのですがそれよりも醤油の味が濃厚で、一般的なめんつゆとは少し異なるテイスト。
スーパーなどでも「そばつゆ」と「めんつゆ」は分けて置かれていることが多いです。
そんなそばつゆは、「だし」と「かえし」で作られています。
そばつゆの元となる「かえし」を、「だし」で割るというイメージが近いかもしれません。
「そばつゆとめんつゆの明確な違い。辛めと甘め、どちらがお好み?」はこちら
万能調味料!かえしを作ってみよう
かえしは、醤油・砂糖・みりんから作られます。
そばつゆだけでなく、煮込み料理やすき焼き、どんぶりのベースなどさまざまな日本料理に重宝され、甘辛いおいしいテイストの立役者です。
基本的な分量は、醤油1斗に、砂糖1貫、みりん1升。
それぞれリットルとキログラムで標記すると、醤油18L、砂糖3.75kg、みりん1.8Lとなります。
ご家庭用でも作れるように割合で表記すると、
だいたい醤油3に対して、砂糖とみりんが1ずつと覚えておくとわかりやすいです。
醤油の風味が好きな方は
醤油300mL、砂糖100g、みりん100mLであれば家庭でも作りやすいのではないでしょうか。
なお、醤油:砂糖:みりん=5:1:1がいいという人もいらっしゃいます。
実際に作ってみて、微調整しながら“自分のかえし”を見つけていくのもまた楽しいものです。
スーパーなどに売っている色々な料理の「たれ」は「かえし」の分量がベースとなっているので、
料理ごとにたれを買わなくても「かえし」を作っておけば料理の際に役に立ちます。
だしと割る前の「かえし」は清潔な瓶などに入れていれば冷暗所で1年ほどもつといわれています。
かえしは加熱しているかどうかで2種類に分かれる
かえしには「生がえし」と「本がえし」の2種類があります。
「生がえし」は加熱しないもの
「本がえし」は加熱したもの
で、生がえしと本がえしを比べると生がえしのほうが醤油の味が引き立っているのが特徴。
本がえしは、醤油の角がとれ、まろやかな風味が特徴となります。
本かえしの作り方
鍋に醤油を入れて加熱したら、ふつふつとする前に火を止めて砂糖を加え、溶かし合わせます。
砂糖が溶けたらまた加熱し、先ほどよりも熱い80度ぐらいでみりんを投入。
みりんのアルコールを飛ばすために少し火を入れますが沸騰させてはいけません。
ふつふつとなる直前ぐらいで火を止めて冷ましましょう。
その後ビンなどに入れて涼しい場所で1週間ほど寝かせたら完成です。
半生がえしの作り方
生がえしは、まず砂糖に水を加えてかき混ぜ、加熱して水飴状にします。
みりんは加熱してアルコール分を飛ばします。
水飴とみりんに醤油を足し、2週間ほど寝かせたら完成です。
砂糖やみりんは加熱して溶かしたりアルコールを飛ばしたりしますが、醤油は加熱していないのが特徴。
加熱していないので、醤油そのままのおいしさが引き立つというわけなのです。
ほかにも、本がえしと生がえしの中間ともいえる「半生がえし」というものもあります。
こちらは、砂糖に水ではなく醤油の半量を加えて溶かし、アルコールを飛ばしたみりんと残りの醤油半分を加えてつくるものです。
生がえしならではの醤油らしさは残しつつ、本がえし特有のまろやかさも楽しめる、いいとこどりのかえしといえるでしょう。
かえしを使ったつゆやたれの割合
◯そばつゆ
冷たいそば…かえし1:だし3-4
温かいそば…かえし1:だし9-10
◯だし醤油
◯天ぷらのつゆ
かえし1:一番だし4
◯すき焼きの割り下
かえし1:だし1
作り方も難しくないため、かえしを作っておけばそばつゆをはじめさまざまな料理に応用可能。
市販のたれで「ここがちょっと足りないな」と思っていた方も、「◯◯のたれ」を使い切れなかった方も、
好みのかえしの割合で作り置きをしておけば、いつでも好きな味でそばや料理を作ることができます。
とっておきのおいしさをぜひ味わってみてください!