巨大な姿に心奪われる出雲大社の大しめ縄とは?

出雲大社といえば、日本最大級の大きさを誇る「大しめ縄」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

 

神楽殿に掲げられる大しめ縄は、実は地元産の稲わらを使用して手作りされています。

今回はそんな大しめ縄についてご紹介したいと思います。

 

 

出雲大社を代表する光景

 

「神話の国」や「神々の国」といわれる島根県。

 

その象徴となるのが、出雲地方にある荘厳な出雲大社です。

 

縁結びの神が祀られる出雲大社には多くの参拝客が訪れ、縁結びのご利益をいただいて帰られます。

 

「出雲大社、縁結びのご利益を授かる参拝の心得~その1【全5回】」はこちら

 

 

そんな出雲大社の象徴ともいえるのが、巨大な大しめ縄。

長さ13.6m、重さ5.2トンを誇る日本最大級のしめ縄は、ひと目見るだけでも圧巻!

黄金色に輝くしめ縄の下で参拝すれば、気持ちも新たに引き締まるものです。

 

そんな大しめ縄、じつは出雲大社の本殿に近い「拝殿」や「八足門」に掲げられているものではないことをご存知でしょうか。

 

 

多くの参拝客の方々は、大鳥居をくぐって出雲大社の境内に入り、全国でも珍しい下り参道をすすみ、松の参道を通って拝殿で参拝されるかと思います。

 

本殿は立ち入り禁止ですので、通常はこの拝殿にて参拝を行いますが、ここに掲げられているしめ縄は、大きいけれども一般的なものです。

このしめ縄を大しめ縄と勘違いしないようにご注意ください。

 

ではどこに掲げられているかというと、ご祈祷など祭事が行われる「神楽殿」という神殿です。

 

神楽殿は手水舎を通って拝殿の前に行き、左方向にすすむと見えてきます。

 

拝殿に掲げられたしめ縄も美しいものですが、神楽殿の大しめ縄の迫力は凄まじいものがあります。

 

出雲大社に来られた際には、ぜひ神楽殿の大しめ縄をご覧いただきたいです。

 

 

大しめ縄の特徴

神楽殿は昭和56年に建て替えられたもので、270畳の広さを誇る大広間を持っています。

 

またステンドグラスなども使われ、神社建築には珍しい、モダンなデザインが特徴的です。

正面に掲げられた大しめ縄も、昭和56年の建て替えに伴って作られたもの。

 

数年に一度、新しいしめ縄へと取り替えられます。

 

 

この大しめ縄、島根県飯南町の有志によって作られています。

これは昭和30年代に出雲大社の分院が飯南町にあったことに由来し、当時からしめ縄の制作にあたっていたとの記録も残っているようです。

昭和56年の建て替え時に必要であった巨大なしめ縄も飯南町の有志が手がけ、以来平成30年の大しめ縄制作・奉納まですべて手がけています。

 

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大しめ縄は稲作りからはじまる

 

大しめ縄作りといっても、単に稲を集めて撚り合わせるだけではありません。

 

懸け替えをする年の前年春に、大しめ縄専用の稲の田植えをすることから始まるのです。

稲の品種は、古代米に近い「赤穂餅」というもので、お米がならないうちに刈り取って乾燥・保存します。

 

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その後、前年冬頃から当年2月にかけて材料の選別作業に入っていきます。

傷んでいるわらを省いたり色の悪いものを取り除いたりと、すべて人の目で行うことで、美しいしめ縄が出来上がるのだそうです。

 

 

大しめ縄の本体となる中芯作りは、当年春から初夏にかけて。

直径30cmくらいに束ねたものを何本も作り、繋げ合わせて太くしていきます。

同じく中心を包むための「コモ」というものも編まれ、それぞれ出来上がれば、中芯をコモで包み大縄を作っていきます。

 

また、大しめ縄に取り付ける円錐形のしめの子の形もとても重要です。

 

直径1.7m、高さ2.1m、重さ300kgとじつに巨大ですが、長年の技術で美しく仕上げられていきます。

 

 

そしてついに「大撚り合わせ」といわれる2本の大縄を撚り合わせる作業に。

 

クレーン車を使うなど迫力の作業が続きます。

 

この大撚り合わせは大しめ縄作りにおいてのクライマックスとあって、新聞やテレビなどさまざまなメディアも取材に訪れます。

 

撚り合わせたら出雲大社神楽殿に運び、現地でしめの子を取り付け。

懸け替えが終了するまでおおよそ1日がかりの作業となります。

 

役目が終わり取り外された古い大しめ縄は、その後飯南町の山へと持ち帰られ、土に還ります。

数年おきに繰り返される大しめ縄の懸け替えにより、常に美しく荘厳な状態をキープできているというわけなのです。