「島根・おいしいもの」お茶-銘菓のお供-

観光にぴったりなゆったりくつろげる茶室もご紹介!
出雲そばもおすすめですが、
島根県松江市は“日本三大和菓子処”のひとつとあって、和菓子とともに楽しむお茶の文化も豊か。
県内の東部から西部にかけて各地でお茶の生産も盛んなため、新鮮で香り高いお茶を楽しんでいただけます。
お茶文化が育まれた歴史や観光で訪れたい茶室についてお届けします。
島根でお茶が広がった理由
島根県の中でも、特に松江市は茶処として知られています。
その歴史は江戸時代後期、出雲松江藩・松平家7代藩主の松平治郷(はるさと)の頃まで遡ります。
松平治郷は、若い頃から茶の湯や禅学を熱心に学んでいたそうです。
流派は石州流をベースにしながら形にとらわれず、自らの中に茶道観を確立。
とくに形式や道具などにこだわる茶の湯に対しては批判の精神を持ち、著書「贅言」で反論もしているほどです。
こうした背景から家臣を中心に茶道を定着させ、お茶文化はもちろん、茶菓子や茶道具の職人を育成。
現代の松江の茶の湯文化につながっていったようです。
作法を気にせずいただけるお茶室
島根でいただくお茶は、作法にそれほどこだわらずに気軽に嗜めるのが特徴です。
日常生活と地続きにお抹茶がある、そんなイメージなのです。
そんな島根・松江のお抹茶を、ぜひお茶室で気軽に味わってみてはいかがでしょうか。
まずは、松江藩松平家の菩提寺「月照寺」のお茶室をご紹介。
松平治郷ゆかりのお茶室「大円庵(だいえんあん)」にて、お抹茶と松江銘菓の「路芝(みちしば)」がいただけます。
お抹茶は「島根の名水百選」にも指定された湧き水「茶の湯の水」を使って淹れられ、自由に汲んで飲むこともできます。
月照寺は6〜7月になると、境内に約3万本のあじさいが咲き誇ります。
時季があえば、美しいあじさいを眺めながらお抹茶とお菓子をいただくことができます。
また約400年前に建立された寺院「普門院」のお茶室「観月案」も、風情豊かでおすすめです。
松平治郷も度々訪れたといわれ、静謐な佇まいが魅力。
こちらではお抹茶とともに季節の和菓子をいただくことができます。
それから、松平治郷が創建したお茶室「明々庵(めいめいあん)」にも訪れてみてはいかがでしょう。
「明々庵」を眺められるお茶室「百草亭」にて、ゆったりとした時の流れを感じながらお抹茶と松江銘菓がいただけます。
松江城の近くにあるので、ちょっと寄り道するのにもぴったりですよ。
島根・松江の一風変わったお茶「ぼてぼて茶」
かつて、奥出雲のたたら製鉄の職人さんたちが飲んでいたという「ぼてぼて茶」も、
島根・松江の名物。乾燥した茶の花を入れて煮出した番茶を茶碗に注ぎ、茶筅でしっかりと泡立てていただきます。
泡立てる際に、“ぼてぼて”と音がするのがこの名前の由来。
このお茶に、赤飯やお漬物、黒豆、お漬物などの具材を入れて飲みます。
ぼてぼて茶は、その昔、職人さんたちが立ったまま素早く栄養が取れる飲み物として重宝されていたそうです。
その流れを汲み、飲む時には箸をあえて使わずに茶碗の底を叩いて具を寄せ集め、お茶と一緒に飲み干すのが習わしとなっています。
日本三大茶会の「松江城大茶会」
松江の茶の湯の復興を願った日本三大茶会のひとつ。
松江城山公園内が会場で、毎年15,000人ほどの来場者で賑わう盛大なお茶会です。
複数の流派のお点前を堪能できます。
島根には、ほかにもゆったりくつろげる甘味処や日本茶カフェも豊富。
茶室を備えている甘味処も多く、銘菓とともにさっとお抹茶も楽しめます。
日本茶カフェでは和パフェや和スイーツも充実し、お抹茶のまた違った味わいも堪能できることでしょう。
形式にこだわらず、気張らず楽しめる島根のお茶の世界を、ぜひ一度のぞいてはいかがでしょうか。
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