
そば屋でちょっと一杯。そばと酒の相性が抜群な理由とは
おそば屋さんでお酒を飲む。
昔から受け継がれている、風流な食文化のひとつです。
そばと酒は味わいとして合うのはもちろんのこと、栄養的な考えからもぴったりのよう。
今回はそばと酒のすてきな関係について迫ってみます。
昔から愉しまれていたそばと酒
そば屋において、そばとともに欠かせないのが酒です。
昔からそばと酒は切っても切り離せない関係だったようで、はっきりとした時期はわからないものの、江戸時代のそば屋ではすでに酒が愉しまれていたようです。
また盛岡のわんこそばは、大勢の人が集まってそばと酒を愉しんだ「そば振る舞い」という宴会が発祥という説もあり、そばと酒の関係の深さが垣間見えます。
さらにそば屋では、酒を「酒(さけ)」と呼ばずに「御酒(ごしゅ)」や「上酒(じょうしゅ)」と呼ぶ文化があったようで、このことからもそば屋で飲む酒が特別であったことがうかがえます。
「そばと日本文化。江戸時代から現代へ育まれた豊かな文化」はこちら
イキでかっこいいとされる「蕎麦前」
そば屋に来たら、まずはおいしいつまみで酒を愉しみ、シメにもりそばやざるそばをいただく、という人が多いのではないでしょうか。この飲み方のことを「蕎麦前」といいます。
蕎麦前で飲まれるお酒は、基本的には日本酒。
夏はキリリとキレのある冷酒、冬はほっとあたたまる熱燗がいいですね。
ただ日本酒に限るということはなく、好みによってはビールや焼酎などを嗜んでもOK。
最近は店主こだわりのワインを置いているそば屋もあり、そばとの意外なマリアージュが楽しめるものです。
つまみは板わさやだし巻き卵などさらりと食べられるものが好まれ、それらでお腹を少し満たしてからそばを注文します。
そばが来る前につまみは食べきり、テーブルに届いたらそばが伸びる前にずるずるっと素早く食べるのが良いです。
最後にはそば湯を飲んでささっと終了。
長居しすぎないのが粋ですね。
そばと酒の相性もぴったり!
そばに含まれる栄養素、ルチンやビタミンEなどは、毛細血管を強くして動脈硬化を防いでくれるなど、さまざまな健康効果が期待できる成分です。
またナイヤシンには胃を修復する働きがあり、胃弱の方にもぴったりの食品となっています。
日本酒をはじめとしてアルコールには、少量であればリラックス感が楽しめるものの、やはり一定量以上飲むと胃が荒れ、体にとってはよくないもの。
そばとお酒を一緒に嗜めば、胃を守りつつおいしく酒が飲めるということに。
安心して一献傾けられる組み合わせといえそうです。
「そばの栄養成分「ルチン」に迫る!生活習慣病の予防にも効果的ってほんと?」はこちら
そば屋の代表的なつまみ
そば屋のつまみは、凝った煮物などより手間のかからないあっさりとしたものが重宝されています。
代表的なそば屋のつまみをご紹介しましょう。
■板わさ
薄く切ったかまぼこを、刺身のようにわさびと醤油でいただくつまみ。かまぼこのおいしさをシンプルに味わえるとあって、人気のつまみのひとつです。またかまぼこに含まれる約20種類のアミノ酸がエタノールの分解を助け、酒と一緒に愉しむのにぴったりだとも言われています。
■だし巻き卵
おいしいそばつゆを作るため、だしに相当なこだわりを持つそば屋さんは多いものです。そんなこだわりのだしをたっぷり使ったそば屋のだし巻き卵。そばつゆで作られるだし巻き卵もあります。
■ぬき
「ぬき」はツウなつまみのひとつ。天ぷらそばや鴨南蛮そばのそばをぬいたもので、具材とかけつゆだけが到着します。ぬきを頼めばそばが伸びる心配がないため、かけつゆと具材をゆっくりと楽しめるのが魅力です。
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