関東のそばつゆは江戸っ子流?その特徴とは?

関東のそばつゆは江戸っ子流?その特徴とは?
南北に長い日本では、その土地その土地で独自の食文化が発達しています。
そばもそのひとつで、出雲そばをはじめ地方でさまざまな食べられ方があります。
「ざるそば」や「もりそば」は全国共通で食べられるおそばではありますが、そばつゆに地方独自のアレンジがなされているよう。
今回は関東のそばつゆの特徴について迫ってみたいと思います。
「そばつゆは「だし」と「かえし」。本がえしを堪能しよう」はこちら
ベースとなる醤油の違い
味の違いについてよくいわれることは、関東は醤油の味わいが濃厚で、関西はダシの味が利いているということです。
これは、醤油の違いによるところが大きいように思われます。
醤油は地方独自で特色があり、ベースとして使われる醤油が地方によってそもそも違うことで、料理の味わいも異なってくるわけです。
■濃口醤油
全国的に流通する醤油。
醤油の国内生産量の約8割以上を占め、家庭料理において幅広く使われています。
とくに東日本でよく使われます。
■薄口醤油
西日本、とくに京都や大阪でよく使われる醤油です。
濃口醤油よりも色が薄いために「薄口醤油」と呼ばれていますが、塩分濃度は薄口醤油のほうが高く、キリリとした味わいが楽しめます。
■たまり醤油
濃口醤油や薄口醤油に比べてとろみがあり、濃厚な旨味があります。
主に中部地方で作られ、親しまれています。
■再仕込み醤油
一般的な醤油は醤油麹に食塩水を加えて作られますが、再仕込み醤油の場合は醤油麹に醤油を加えて作られます。
このため醤油の味わいが濃く、がつんとした味わいが楽しめます。
■甘口醤油
濃口醤油をベースにし、甘みを加えたものです。
主に九州でつくられ、南に行けば行くほど甘みが増すなどの特徴があります。
さしみ醤油とも呼ばれます。
関東のそばつゆは醤油の味が濃いめ
ではそばつゆはどうなのかというと、あくまで実感になりますが濃口醤油や再仕込み醤油など濃いめの醤油を使って作られていることが多いように感じます。
しっかり醤油の風味が生きた辛口のつゆは、そばの力強い風味ともマッチしてとってもおいしく食べられます。
また、そばの先の少しだけにつゆをちょんと付けて食べるのが江戸っ子らしくて粋、という風潮もあるように、昔から濃いめのそばつゆが親しまれていたようですね。
一方だしは鰹だしを使うことが多いようで、醤油の風味が生かされていることが伝わります。
もちろん店舗によってそばつゆの風味や味わいは異なるので、関東でもうるめいわしのだしや昆布だしを使っているお店もたくさんあります。
どん兵衛は東日本と西日本で味わいが異なる
ちなみに、カップそばとして人気の日清のどん兵衛では、東日本と西日本でつゆの味わいが異なります。
東日本で展開される「天ぷらそば」は、鰹だしと醤油を利かせ、色味も濃いめに作っているとか。
一方西日本では昆布だしと鰹だしを取り合わせ、色味も薄く仕上げています。
それぞれパッケージに、東日本版なら(E)、西日本版なら(W)と小さく書かれているので、ぜひ食べる際にチェックしてみてください。
かけつゆの味の違いも明確に感じられますよ。