
日本の特徴的なご当地そば5選!特徴とおいしさの秘密とは?
日本の特徴的なご当地そば5選!特徴とおいしさの秘密とは?
そばは、日本を代表する食べ物であり、食文化のひとつ。
とくに日本三大そばといわれる「出雲そば」「戸隠そば」「わんこそば」が有名です。
今回は改めてその三大そばとともに、全国的に有名な新潟県の「へぎそば」、福井県の「越前おろしそば」の2つを加えて、その特徴をご紹介します。
1.2つの食べ方がある「出雲そば」
島根県の出雲地方が発祥の「出雲そば」。私たち本田商店が大切に作り続けているおそばです。
出雲には江戸時代にそば切りの技術が持ち込まれ、出雲大社への参拝客がよく食べていたことや、松江城を中心とした通人たちの集まりによって発展したといわれています。
出雲そばの特徴は挽きぐるみの製粉方法で挽かれたそば粉を使うこと。
挽きぐるみとは、そば粉を階層に分けず、殻や甘皮も含めて丸ごと挽いて仕上げる製粉技術です。
これによって一般的なそばよりも甘皮や殻が入っている分黒みがかっていることが多いです。
また冷たくして食べる「割子そば」と、温かくして食べる「釜揚げそば」の2つの食べ方があるのも特徴的。
割子そばは三段になった朱色の器それぞれにそばを入れ、器の中に薬味とそばつゆをかけて食べます。
一段食べ終わったら残ったつゆを二段目にかけて食べるのが正しい食べ方とされています。
一方釜揚げそばは、茹でたそばを水で締めずにそのまま器に盛ってそば湯をかけ、ここにそばつゆを入れて自分で味を調整しながら食べるそばのこと。
出雲大社の参拝客に振舞ったことで定着化したといわれています。
「出雲大社の周辺にあるおすすめのそば屋4選」についての記事はこちら→
2.特徴的な”ぼっち盛り”「戸隠そば」
長野県の戸隠地方が発祥の「戸隠そば」。
平安時代に山岳修験者の携帯食としてそば粉が用いられ、江戸時代にそば切りの技法が伝えられて発展。
おもてなし料理として広まっていったといわれています。
戸隠そばの特徴は、”ぼっち盛り”といわれる盛り方で提供されること。
冷たいざるそばを注文すると、ざるの中に少量ずつのそば5、6束が折れ曲げた形で盛られて出てきます。
なぜ”ぼっち”と呼ばれるのかは不明なのですが、5束に盛られるのは一説によると戸隠神社ゆかりの神々になぞらえているのでは、とのこと。
ゆかりの神々とは、九頭龍神(くずりゅうしん)、天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)、天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと)、天表春命(あめのうわはるのみこと)、天鈿女命(あめのうずめのみこと)の5柱です。
6束に盛られて出てくる場合には、この神々に加えて地域の地蔵堂が加わっているのだそうです。
「これが日本の三大そば!人気の「戸隠そば」って知ってる? 魅力や特徴をご紹介!」についての記事はこちら→
3.掛け声とともに杯を重ねる「わんこそば」
岩手県で食べられる「わんこそば」は、花巻発祥説と盛岡発祥説があります。
花巻発祥説は、南部利直公が江戸に行く際に花巻で宿泊した際に郷土の名産であったそばをお椀に盛って出したところ、何杯もおかわりされたとの説。
盛岡発祥説は、原敬が盛岡に帰省した際にそばを食べ「そばは椀コに限る」と言ったことから広まったとの説です。
いずれの地域でも、少量ずつお椀に盛って出すそばがおもてなし料理として親しまれていたようです。
ひと口程度の小盛りそばがたくさん用意され、給仕さんが「はい、どっこい」などと掛け声をかけながら客の椀の中に次々に入れて食べます。
薬味は自分の好きにトッピングしてもよく、客が自分のお椀に蓋をすれば終了となります。
蓋をしようとすると給仕さんがすかさず椀の中にそばを放り込むなど、お代わりの無理強いをするのもおてなしのひとつ。
楽しいやり取りをしながら、お腹いっぱいそばが食べられます。
「これが日本の三大そば!美味しい「わんこそば」に迫る!起源や食べ方をご紹介」についての記事はこちら→
4.海藻をつなぎにした「へぎそば」
新潟県の魚沼地方が発祥の「へぎそば」。
もともとこの地の名産品であった織物を仕立てる際、糸に海藻の「ふのり」をまとわせて強度をつけていたのだそう。
そんなふのりをそばのつなぎとして使い、生まれたのがこのそばです。
つなぎにふのりを使うことで、弾力のある特徴的な歯ごたえのそばに仕上がり、色も少し緑がかっているのが特徴です。
へぎというのは、そばを盛る際の四角い器のこと。
木を剥いだ板を折敷にしたもので、剥ぐ→へぐ→へぎ、となまって「へぎそば」と呼ばれるようになりました。
ざるそばやせいろそばなどと同じく、器の呼称から「へぎそば」となったようですね。
「新潟・魚沼のへぎそばは、つなぎも薬味もひと味違う? 海藻との相性も抜群!」についての記事はこちら→
5.辛味大根が味の決め手「越前おろしそば」
福井県の嶺北地方が発祥の「越前おろしそば」。
江戸時代にそばに大根おろしを添える食べ方が始まり、広まったといわれています。
その後、昭和22年に昭和天皇が福井県にこられた際、2杯のおろしそばを召し上がられたそうで、皇居に戻られた際にも「越前のそばは大変おいしかった」と懐かしみがられたことで全国的に知られるようになります。
辛味のある大根おろしを添え、薬味やかつおぶしを絡めて食べる越前おろしそば。
シンプルな料理ではありますが、大根おろしの爽やかな風味がおいしく、食事のシメにぴったりです。
「福井県の郷土料理「越前そば」。広まったきっかけは昭和天皇のお言葉から?」についての記事はこちら→
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